『アルプスの少女ハイジ』とは
『アルプスの少女ハイジ』(原題:Heidi)は、スイスの作家ヨハンナ・シュピリ(Johanna Spyri)によって1880年に発表された児童文学作品です。
ヨーロッパの豊かな自然と心温まる人間関係を背景に、孤児の少女ハイジが成長していく姿を描いた物語は、世界中で愛され続けている不朽の名作です。
物語の舞台は、スイス・アルプスの雄大な山々。
5歳のハイジは、叔母のデーテによってアルムの山小屋で暮らす祖父(アルムおんじ)の元に預けられます。
人里離れた山での生活は、当初こそ戸惑いがありましたが、しだいにハイジは自然の中で伸びやかに成長し、ヤギ飼いの少年ペーターや動物たちと心を通わせながら、明るく元気に日々を過ごしていきます。
やがて彼女は再びデーテに連れられてフランクフルトへ行き、裕福な家庭の病弱な少女クララの話し相手として暮らすことになります。
都会での生活に馴染めず、ホームシックになったハイジは心の病にかかってしまいますが、その後アルプスに戻ることで再び元気を取り戻します。
そしてクララもアルプスを訪れ、ハイジの存在と自然の力により、身体も心も癒されていきます。
この物語は「自然との共生」「思いやり」「家族の絆」「心の成長」といった普遍的なテーマを持ち、時代を超えて多くの人々の共感を呼び起こしてきました。
日本における『アルプスの少女ハイジ』
特に日本では、1974年に放送されたテレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』(全52話)が国民的アニメとして広く親しまれています。
高畑勲が演出を手がけ、宮崎駿が場面設定や作画を担当したこの作品は、今なお多くのファンを持つ伝説的なアニメシリーズです。
アニメは原作に忠実でありながら、日本人の情緒や感性に寄り添う丁寧な描写と美しい背景、キャラクターの豊かな表情によって、原作の魅力をさらに高めました。
特にハイジが草原を駆けまわるシーンや、クララが車椅子から立ち上がる感動的なシーンは、世代を超えて語り継がれています。
その後も、再放送やグッズ展開、絵本・ビデオ・DVD、そして各種ライセンス商品により、ハイジは何世代にもわたって愛され続けています。
スイス観光局と連携した公式キャンペーンや、ハイジの村(スイスや日本のテーマ施設)など、世界的なブランドとしても確立されています。
スイスパビリオンの公式マスコットキャラクター
『アルプスの少女ハイジ』の主人公であるハイジは、2025年大阪・関西万博のスイスパビリオンの公式マスコットキャラクターに就任しています。
スイスは、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に対し、「ハイジと共に、テクノロジーの頂へ」というコンセプトを掲げています。
これは、アルプスの豊かな自然と文化、そしてスイスが誇る最先端の技術力を融合させ、未来への貢献を目指す姿勢を示しています。
東亜金属株式会社
昭和34年設立の60年の歴史を持つ
金属のスプーン・フォーク・包丁・ボトルなどを中心に家庭用品を取り扱う会社です。