整理収納術の第一歩は自分にとっての「快適」の見極め【後編】
ルームスタイリスト・整理収納アドバイザーとして活躍する安藤秀通さんへのインタビュー後編です。
整理収納の魅力を 一人でも多くの人に伝えること
——現在の個人活動と「teamひでまる」としての活動について教えてください。
個人での活動では、ルームスタイリスト・整理収納アドバイザーとして個人宅やオフィスを訪問し、遠方の方にはオンラインを通じて整理収納やインテリアのサポートをおこなっています。また、企業向けのセミナーを担当しているほか、自宅の収納を全公開するルームツアー、ラジオ、執筆などをおこなっています。
整理収納を通じて本当に望む生き方ができるようになった経験を、一人でも多くの人に伝えたいという思いがあります。そのために、整理収納の魅力をSNSなどを通じて積極的に発信しています。
使用頻度の高い愛用品は、見せる収納を意識して。お気に入りのものは、IKEAのウォールシェルフとドールハウスに飾って収納。
現在、「teamひでまる」という7名からなるチームで個人宅の訪問をおこない、常に60〜70件のお家を同時進行で担当しています。チームを組んだ理由は、個人ですべてを運営することに限界を感じたからです。クオリティを落とさず、もっと多くの方々に整理収納の魅力を伝えるためにはどうすればいいかを考えた結果、同じ志を持つ素晴らしい仲間たちに声をかけ、チームを組みました。
スペースや収納グッズを活用した 「見せない」収納
どうしてもごちゃごちゃしてしまうコードや小物類は引き出しなどで「見せない」収納に。
——自宅の整理収納をおこなう際には、どんなことを意識されていますか? また、収納方法についても教えてください。
使用頻度別に収納することを意識しています。例えば、キッチンの引き出しの中は、ファイルケースやブックエンドを使って、使用頻度別に立てて収納することで、食器をさっと取り出せるようにしています。上から見た時に、どこに何があるかが一目でわかる状態にしていることがポイントです。
調理器具や食器など、よく使うものは「①開ける②取り出す③閉める」という一連の動作を3アクション以内にできるように収納しています。効率的な動線を意識することで、料理や片付けがすごく楽になり、管理がしやすくなるんです。
カトラリーは無印良品のアクリルペンスタンドを活用して、種類別に収納。使うときはケースごと取り出しても。
コンロの五徳は、調理を終えるたびに壁に立てかけることで、スッキリまとまった印象に。こうすることで、その後の掃除も簡単に。
これらの考え方はキッチンに限らず、クローゼットなども同様です。クローゼットの場合は、種類ではなく使用頻度別に分けることで管理がしやすくなります。
——収納をする際に、おすすめのアイテムはありますか?
使用頻度が低いものはボックスを活用して収納しているのですが、この無印良品のトタンケースがおすすめです。ボックスには、ジャンルごとに分けて収納しています。部屋全体のまとまりを出すために、中身を示すラベルが見えないように工夫している点もポイントです。
収納方法は個人によって異なりますが、自分が管理しやすい方法を選ぶことが大切です。また、見た目が好きな収納を選ぶことも、部屋を美しく保つ秘訣の一つかもしれません。
整理収納を通じて、 自分らしい生き方ができる人を増やしたい
——SNSや講演などを通じて整理収納の重要性を発信しているひでまるさんですが、今後の展望を教えてください。
ルームスタイリスト・整理収納アドバイザーとして活動し始めてから、有難いことにSNSなどで日本全国から多くの反響をいただいています。昨年の夏に特集された映像が世界52カ国で配信されて以降は、海外からも様々なメッセージをいただくようになりました。
番組をきっかけに、「teamひでまる」にはヨーロッパをはじめ海外在住の方からの依頼が増え、オンラインを通じて整理収納のお手伝いをさせていただいたりもしているんですよ。これまで予想もしていなかったところからの反響に喜びを感じています。これからももっと多くの方々が整理収納を通し、本当に自分にとって大切なものを見極めて、自分らしく生きられるようなお手伝いをしていきたいと思っています。