SDGs達成度が高いフィンランド、スウェーデンから学ぶ、サステナブルな取り組み
毎年発表されているSDGs達成度ランキングを知っていますか?国連や研究機関などの統計をベースに発表されるこのランキングですが、日本は前年度の19位からランクを落とし、2023年は21位という結果でした。ではランキング上位国は、どのような取り組みをおこなっているのでしょうか?
SDGs達成度が高い北欧諸国
各国のSDGsの取り組みを100点満点で点数化した「SDGs達成度」によって決定される「SDGs達成度ランキング(※)。国連や研究機関などの統計資料をもとに、国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」(SDSN)が17の目標達成目標に向けた進捗状況を判断しています。
(※)出典:SDSN Sustainable Development Report 2023 https://dashboards.sdgindex.org/rankings
2023年のSDGs達成度ランキング
1 フィンランド 86.8
2 スウェーデン 86.0
3 デンマーク 85.7
4 ドイツ 83.4
5 オーストリア 82.3
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21 日本 79.4
2023年ランキング1位のフィンランドは3年連続でトップをキープ。2位スウェーデンは昨年3位と、毎年北欧の国々が上位を占めています。なぜ、こんなにも達成度が高いのでしょうか?今回は上位国であるフィンランドとスウェーデンのSDGsに対する取り組みやその魅力を紹介します。
フィンランド
国土の約70%が森林で、188,000もの湖があると言われているフィンランド。いち早く「サステナブル・トラベル・フィンランドプログラム」(※)を開始し、観光の観点からも環境保全に努めている国です。「サステナブル・トラベル・フィンランドプログラム」はサステナブルで責任ある旅行が新常識になり広まること、フィンランドを世界でもっともサステナブルな旅行先の一つにすることを目標とし、自国の風土や文化に合わせてフィンランドが独自に設計したプログラムです。
気候変動に具体的な対策
フィンランドは1990年に炭素税を導入し、エネルギー循環経済の過程を最初に作った国です。街にはレンタサイクルが多数設置されており、自動車より自転車移動を推進することで、CO2削減に貢献しています。
ジェンダー平等実現への取り組み
「世界経済フォーラム」が発表する「ジェンダー・ギャップ指数2023」でも第3位を獲得。政治においても、ほとんどの地方議員が兼業の市民参加にもかかわらず、その約半数が女性です。近年ではジェンダーフリーのトイレが公共施設などで多く導入されるなど、生活者の観点からもジェンダー平等が進んでいると感じられます。
スウェーデン
国民全体でカーボンニュートラルやゴミのリサイクルへの意識が高いスウェーデン。再生エネルギーの促進に力を入れる家具販売店「IKEA」や、2030年までにすべての商品をリサイクルまたはサステナブル素材に切り替えることを目指すファッションブランド「H&M」発祥の国としても有名です。
ごみの削減への取り組み
スウェーデンでは、ごみを100種類に分別し、家庭ごみの99%をリサイクルやエネルギー源に回しています。飲食物の価格に預かり金(デポジット)を上乗せし、容器を返却すると戻ってくるという、デポジット制も多くで採用。街を歩けばごみ箱が多く見られ、アップサイクル商品の専門店も多く点在しています。
教育面からSDGsの意識を高める
スウェーデンはジェンダーに関して世界で最も平等な国の一つとしても称賛されています。幼稚園から教育プログラムにLGBTQIA+を取り扱う授業を取り入れたり、自治体と学校が連携して環境問題について学ぶプログラムを多く実施するなど、教育面からSDGsについて学ぶことに国をあげて積極的に取り組んでいます。この意識の高さが環境に配慮した考え方、街作りに活かされているのかもしれません。
今回はSDGs達成度ランキングに注目し、上位国であるフィンランドとスウェーデンのSDGsへの取り組みを紹介しました。各国さまざまな取り組みをおこなっているので、SDGs達成度ランキングを参考に、気になった国について調べてみてもおもしろいのではないでしょうか。