美容コラムニスト・福本 敦子さんに聞く、地球に優しく心地よく使えるコスメの選び方
近年、コスメ選びの基準は価格やブランド力といったものだけでなく、成分や生産背景、フィロソフィーなど様々な視点へと広がっています。ヴィーガンコスメやオーガニックコスメ、ナチュラルコスメといった言葉をよく耳にしますが、その違いは曖昧で、複雑に感じてしまう人もいるかもしれません。今回は、オーガニック美容を中心に美容コラムニストとして活躍されている福本 敦子さんに、それらのカテゴリの成り立ちや棲み分け、そして一人ひとりに合ったアイテムの見つけ方について、独自の目線でお話しいただきました。
この記事でわかること
- ヴィーガンコスメ=動物性の成分を使わないコスメ
- ヴィーガンコスメの背景にあるのは動物愛護や環境への配慮・価値観
- カテゴリにとらわれず、自分に合ったコスメを見つけることが大切
最近よく聞くヴィーガンコスメって何? ナチュラルやオーガニックとの違い
——まず最初に、ヴィーガンコスメとその他のオーガニックコスメの違いについて教えてください。
わかりやすくするためにものすごくざっくりお話すると、以下のように振り分けることができると思います。
・ヴィーガンコスメ=動物由来成分
・ナチュラルコスメ=自然由来成分を主成分とするコスメ
・オーガニックコスメ=自然由来かつ特に有機栽培された植物原料が主成分のコスメ
(※)コスメに対するオーガニック認証は種類がたくさんあるが、取得するかどうかは各ブランドの理念による場合が多いので、認証取得しているものとそうでないものがある。
ヴィーガンコスメの成り立ち、 そのメリットとデメリット
——ヴィーガンコスメはどういったところから生まれたのでしょうか?
そもそもヴィーガンがどこから生まれたのかははっきり分かりませんが、先に食の考え方として海外でヴィーガンの文化があったと思います。ヴィーガンになった方にも様々な理由があると思いますが、例えばお洋服でも革製品を買わない、という考えの人もいますよね。そんな考えから化粧品というプロダクトにもその流れが起こったと考えるのが自然な気がします。
——ヴィーガンコスメを選ぶことのメリット・デメリットを教えてください。
メリット・デメリットのように損得をはっきり計るのは難しいですね。なぜなら、選ぶ人の中に「どうしたいか」という気持ちがあることが重要、と私は考えているからです。ヴィーガンもオーガニックも、ひとつの価値観や基準、選択肢として考えて、自分の価値観と照らし合わせて「自分がそれを選びたい」という責任でチョイスするのがよいのではないでしょうか。やってみて何か自分にマッチしなければ柔軟に変えていくことも大切で、自分の中のよいバランスを探すのがおすすめです。
コスメ業界のここに注目! 自分にあったコスメとの向き合い方
——現在のコスメ業界の潮流として、福本さんが注目されていることはありますか?
今は多くのブランドが詰め替え用リフィルの取り扱いやバイオマス素材を使うなど、容器への環境配慮に力を入れていますよね。できるところから環境へ配慮した取組みを始めていて、消費者にもそういった環境配慮の意識が生まれている最中という印象です。パーフェクトではないけれど、少しずつ続けていくことが大切なフェーズにいるのかなと思います。
他にも、今までオーガニックコスメとは違うジャンルと定義されていたラグジュアリーコスメブランドが環境問題に向き合っているという印象があります。メジャーなブランドが取り組みをシェアすることで、消費者にも環境配慮の意識が浸透すると思いますし、作る方も売る方も、商品を通して、「美容だけではなく、環境問題へも想いを馳せる」という動きになっているなと感じます。オーガニックやヴィーガンコスメの世界では割と昔からその意識があったように感じていますが、そういう流れがジャンル関係なくブレンドされていっている流れをいいなと感じます。
——ヴィーガンコスメというカテゴリは日本国内のブランドでも進んできていますか?
消費者がヴィーガンコスメに興味を持ち始めたことで、ヴィーガン製品の良さなどをしっかりと伝えるメーカーさんは増えている気がします。しかし、ヴィーガン製品だと謳っていないだけで、成分を見るとヴィーガンだよね、という製品もたくさんあります。製品を通して何を伝えたいか、というブランドの理念によって、ヴィーガンを打ち出す度合いも差がありますよね。ブランドも消費者も、必ず「人」がやっているのでそこはまちまちなのかなという印象です。調べながら自分に合うコスメを見つけてみるのもいいかと思います。
——ヴィーガンコスメに関心のある消費者はどういう基準で商品と向き合い、選択できると良いと思いますか?
「自分が大切にしたいこと」をはっきりさせることが選びやすさに繋がると思います。例えば、ペットを大切にしているから動物実験する企業の製品は使いたくないという人もいるだろうし、環境問題を勉強したらミツバチなどの生態系に影響があるということを知って、守ってくれるような企業の製品を使いたいとか。色々な選択肢があるなかで、「この成分が入っているから駄目」などと決めつけるのではなく、自分が大切にしたいことや選びたいものを知って、自分にとって心地よく使えるものは何かを考えるなど、自分自身に興味を持つことで価値観が再認識できるかも知れません。自分自身の基準をコスメを選ぶ時に反映させるとスムーズですし、より楽しめるかなと思います。
コスメ専門モール「ZOZOCOSME」 で買える!ヴィーガンコスメ
Powder-Me サンスクリーンパウダー
肌への密着度が高く、汗をかいても落ちにくい微粒子ミネラルを使用したサンスクリーンパウダー。ナチュラルクレイ(乳化安定剤)など、自然派由来の美容成分配合でキメの細かい美肌に仕上げます。
ビオオイル アルガンオイル ローズ 50mL
ブランドの代名詞とも言える「アルガンオイル」。オーガニック認証を得た100%ナチュラル成分で、肌にやさしくなじみ、もっちりとした潤いに満ちた肌へと導きます。顔だけでなく、ボディやヘアにも使える万能オイルです。
ヴェレダ エーデルワイス UVプロテクトN 50mL
高地の過酷な環境で生きるエーデルワイスの美容成分をたっぷりと閉じ込めたUVミルク。敏感な赤ちゃんの肌にも使える*やさしい処方ながら、紫外線から肌を守りながら、しっとりみずみずしい潤いを肌に与えます。
*使用テスト済。全ての人に皮膚刺激が起こらないというわけではありません。
ヴィーガンやオーガニックという冠だけで選ぶのではなく、一つひとつの商品に込められた思いや生産背景に共感できるかどうかが、コスメ選びの目線でとても大切なことなのだと教えてもらいました。気になるものがあればまずはトライしてみて、身体に合うもの、共感できるものかどうかを考えることで、心地よく使える商品と出会うことができるかもしれません。

福本 敦子
フクモト アツコ
「コスメキッチン」に14年間勤務後、独立。オーガニックに精通した知識と独自のオーガニック美容論が、20代、30代の女性を中心に世代を超えて支持されている。「#敦子スメ」は“読んだ瞬間試したくなる”と人気を集め、欠品や完売商品も多数。雑誌、イベント、SNS、コラボ商品デザインなど多方面で活躍する。2019年秋、自身初の書籍となる『今より全部良くなりたい』(光文社)を出版。近著は『気持ちが上がればそれでいい12星座と星占い by敦子スメ』(CCCメディアハウス)がある。


