堂本 剛プロデュース「.ENDRECHERI. × ZOZO」。ファッションを楽しみながら考えるサステナブルな未来とは
堂本 剛さんプロデュースによるZOZOコラボアイテム「.ENDRECHERI. × ZOZO」、2022年に発表した第一弾の売り上げは計画比の、なんと1000%!と大好評。第二弾となる今回も、こだわりの詰まったサステナブルなアイテムが登場しました。デザイナーとして製作に携わった「Syncs.Earth」の澤柳 直志さん、アイテムに使われている「UpDRIFT®™」のプロジェクトを担当する中村 洋太郎さん、「堂本 剛プロデュース」を担当しているZOZOの尾田 典子さんの3名に、コラボアイテムに込めた想いをお伺いしました。
服を作る立場として チームに当たり前に根付く共通意識
——今回のコラボレーションの際に、サステナビリティを意識した理由を教えてください。
「堂本 剛プロデュース」を担当しているZOZOの尾田 典子さん
尾田 ZOZOではサステナビリティの推進に力を入れており、ZOZOTOWNをはじめ様々なサービス提供を通じた取り組みをおこなってきました。中でも、今回のプロジェクトをスタートさせるにあたり、必要不可欠なポイントとして考えていたのが過剰在庫を生まない受注生産での取り組みです。
「Syncs.Earth」の澤柳 直志さん
澤柳 私たちは、大量生産・大量消費が課題となっているアパレル業界で働いているので、私自身も、地球環境に配慮することは最初から当たり前の意識としてありました。剛さんもこのプロジェクトのサステナブルなモノづくりに共感してくださったので、チーム全体の共通認識として、最初からスムーズにマインドをすり合わせることができたと思います。
尾田 商品企画のコンセプトには、「循環」「変態」「愛」の三つを掲げています。コラボアイテムを身につけたり使うことで地球の資源が形を変えながら循環され、洋服への愛着、そして変わりゆく自分の意識を愛する自己愛にも繋がっていけばいいなという想いを込めています。
目指すのは、ファッションを楽しみながら 地球に貢献できるアイテム
——今回のコラボアイテムの中で、サステナブルな特徴を持つアイテムを教えてください。
尾田 剛さんの出身地である奈良県産の吉野杉の廃材を使った「POSITIVE ACTION BOTTLE」のケースと、土に還るオーガニックコットンを使用した「OUR CIRCLE TEE」、そしてTシャツ付属の、昨年販売した土に還る和紙Tシャツの残布からつくられたワッペンが素材や製造過程の面で地球環境に配慮した商品になります。
土に服が還る様子
澤柳 「POSITIVE ACTION BOTTLE」のケースは、プラスチック使用量削減のため、天然素材である奈良県の吉野杉を剛さんのお名前にちなんで24.4(つよし)%分配合していて、剛さんの遊び心とこだわりが詰まっています。
「UpDRIFT®™」のプロジェクトを担当する 一般社団法人オーシャン太郎代表理事 中村 洋太郎さん
中村 この水筒ケースのストラップは、海岸に漂着したプラスチックごみからつくられる「UpDRIFT®™」という素材を使用しています。沖縄県石垣島に漂着したペットボトルと市中回収されたリサイクルペットボトル資源を混ぜ、繊維をつくっています。
写真のケースは試作品です。実際の商品とは異なる場合がございます。
「UpDRIFT®™」の詳細についてはこちらをチェック!
——このTシャツのワッペンは昨年販売された第一弾のアイテムの残布を活用して生まれたんですよね?
澤柳 はい。刺繍は剛さんのシンボルマークと土に還す時に素材を分解してくれる菌や発酵、循環をイメージしてデザインしました。
残布のワッペンのデザイン画。一番右が今回のワッペンになったもの。 ベースの生地(前回の和紙Tシャツ)の素材感が見えるように工夫している。
受注生産であっても、どうしても裁断の際に生地の端切れが出てしまいます。前回の和紙Tシャツでは、残布が約300kg生まれてしまいました。当初、残布は自社の畑に還す予定でしたが、この膨大な残布を新しく生まれ変わらせることができないかと考えて作られたのがこのアイテムです。
——それぞれの商品を作る上で苦労したことやこだわった部分はありますか?
中村 長く使ってもらえるよう、使用時の不快感はできるだけ軽減させたかったので、伸縮性があって柔らかく肩にできるだけ負担がかからないよう計算しています。剛さんのシンボルカラーである深い紫色の染色にもかなりこだわりました。
澤柳 Tシャツもワッペンも、縫い糸や刺繍には強度のあるポリエステルを使うのが一般的ですが、生地から縫い糸まで全て完全なるコットン100%にこだわりました。生地の生産過程など、トレーサビリティにも配慮しているのが大きな特徴です。
——今回のコラボレーションアイテムを通して、お客様にどのような思いを届けたいですか。
中村 日本で1年間に消費されるペットボトルの量は約200億本。この水筒ケースを使ってもらうことで、「ペットボトルの消費をできるだけ減らそう」という意識につながったらいいなと思います。いつか、ペットボトルの飲み物を買うのではなく、1つの飲み物をみんなで水筒にシェアするのがオシャレな時代になってくれたら嬉しいですね。
澤柳 剛さんとの今回の取り組みで学んだことがあります。それはお客様に何よりも大事にして欲しいのは、ファッションを楽しむという思いです。前回に引き続き遊び心があるアイテムが多いので、ファッションを楽しみながら、サステナブルな背景を知ってもらう入口にしてもらいたいですね。
尾田 アイテムは全てユニセックスです。企画していく上で大事にしていたのが、老若男女、性別や身長に関わらず、全ての人に楽しんでもらえるアイテムづくり。剛さんのコンセプトでもある「FUNK」を全ての人に体感してもらえるアイテムになっていると思います。
澤柳 今回製作したどのアイテムも、お客様に長く使ってもらえるよう、剛さんを中心にチーム一丸となって情熱を注いでつくりました。ぜひ一人でも多くの方に手に取っていただきたいです。
普段から、メンバーそれぞれが互いの立場を気にせず、自由に意見を言い合っているという「.ENDRECHERI. × ZOZO」チーム。剛さんの想いが込められたアイテムの裏にはものづくりに真摯なスタッフのチームワークがあることがわかりました。「.ENDRECHERI. × ZOZO」は2024年2月6日(火)11:59まで予約受付中。こだわりが目一杯詰まったアイテムをお見逃しなく!
澤柳 直志(サワヤナギ ナオシ)
1987年長野県生まれ。2008年に自身の名を冠した「ナオシサワヤナギ」を設立し、東京コレクションデビュー。ブランド休止後は数多くのメーカー、ブランドの受託デザインをおこなう。2021年6月循環型ブランド「Syncs.Earth」を立ち上げ、ファッションと農業を通じた環境問題の解決を目指し、“循環型カルチャー”を発信する。
中村 洋太郎(ナカムラ ヨウタロウ)
一般社団法人オーシャン太郎代表理事。
ライフスタイル提案商社の豊島株式会社と共に、同社が2021年4月に展開し始めた漂着ペットボトルを活用したリサイクル繊維「UpDRIFT®™️」のプロジェクトを担当している。「UpDRIFT®™」は、海辺に漂着したプラスチックゴミをビーチクリーンによって回収し、リサイクルやアップサイクルすることによって新しい価値を生み出すプロジェクト。長年に渡って海洋汚染の一因として問題になっているプラスチックごみの問題を解決するだけでなく、地域コミュニティーと協力して、海洋環境保全や地域活性化に貢献している。
尾田 典子(オダ ノリコ)
生産企画部 生産営業Bブロック
2017年に新卒11期生として入社し、マーケティング本部に配属。その後、ブランド営業本部 生産企画部へ異動し、D2C事業「YOUR BRAND PROJECT Powered by ZOZO」にて、インフルエンサーと共にブランドコンセプトや商品企画、アイテム紹介のライブ配信や撮影のディレクションを担当。現在は生産企画部にて生産支援プラットフォーム「Made by ZOZO」事業の推進をおこなう。