ヘアドネーションから考える。自由に好きなファッションを楽しむことができる社会
頭髪に悩みを抱える子どもたちに、髪の毛の寄付を集めてつくった医療用のウィッグを無償で提供するしくみ「ヘアドネーション」。日本に普及して以来、子どもから大人まで幅広い年代の多くの人が参加しています。 今回はヘアドネーションの活動に取り組むNPO法人「Japan Hair Donation & Charity」(以下JHD&C)の代表を務める渡辺 貴一さんにお話をお伺いし、頭髪に悩みを持つ子どもたちの選択肢の一つである、医療用のウィッグを作るために髪を寄付する仕組み「ヘアドネーション」について紹介します。
ヘアドネーションについて知ろう
ヘアドネーション(※)とは、小児がんを治療するための抗がん剤の副作用や脱毛症などの病気、火傷や事故などで髪の毛を失ったり、頭髪に悩みを抱えた子どもたちのために、多くの方から寄せられる髪の毛を使って制作したウィッグを無償で提供する活動です。
(※)https://www.hair-doneige.com/knowladge/ ヘアドネーションはアメリカの団体Locks of Loveなどが行っていた活動で、日本では2009年に国内初のヘアドネーション団体であるNPO法人Japan Hair Donation&Charity(JHD&C)が発足。
子どもたちは学校などで制服を着用して集団行動をすることが多いため、頭髪だけ周りと違うという外見の差を感じやすい一方で、子ども用ウィッグは大人用に比べて種類や価格の選択肢が極端に少ない現状にあります。
さらに、成長過程の子どもは自分のサイズに合わせてウィッグを購入するため、大人よりも多く買い替えが必要になります。
こうしたことから、JHD&Cでは10年以上ヘアドネーションに賛同するドナー(髪を寄付する人)と協力して子どもたちに無償で医療用ウィッグを提供してきました。
JHD&Cにおけるヘアドネーションのドナーの97%以上が女性ですが、近年では男性からの寄付も増えています。
ヘアドネーションをする方法
年々認知度は上がってきているものの、意外と知られていないことも多いヘアドネーション。
具体的な寄付方法などを知り、頭髪に悩む子どもたちのために髪の毛を寄付してみませんか?
<JHD&Cで髪の毛の寄付をおこなう場合の条件>
・毛束の一番長い部分が31cm以上あること
・髪が完全に乾いていること
・カラー、パーマ、ブリーチ、縮毛矯正、白髪染めをおこなっていてもOK。また、投薬治療や放射線治療などをおこなっていても問題ありません
<ヘアドネーション方法>
1.美容院へ連絡
寄付する長さとドネーションカット後のヘアスタイルを決めて、美容院に「ヘアドネーションをしたい」と伝えて予約しましょう。
2.髪を切る
ほんの少しの湿り気もカビや雑菌の原因になります。カットの前に決して髪の毛を濡らさないように注意し、自宅でカットしたり予約した美容院で髪を切ってもらいましょう。
3.発送準備
各団体のドナーシートに記入して、寄付先に髪の毛を発送する。
JHD&Cへ寄付をおこなう場合は「ドナーシート」(※)にご記入ください。
ヘアドネーションをおこなう団体ごとに規定や送付方法が異なるので、必ず寄付先の団体の送付方法を確認してくださいね。
ヘアドネーションにも役立つ、 日々のヘアケア商品を取り入れよう
長い髪を維持する日々も、心地よくおしゃれを楽しむことも忘れずにいたいですよね。ZOZOTOWNで買える環境や人にやさしいヘアケア商品をチェックしてみませんか?
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渡辺さんは「ウィッグを使うか使わないか、ヘアドネーションをするかしないかは、個人の自主的な選択であってほしい。他者の選択をあるがまま尊重することが大切だと考えています」とお話ししてくれました。頭髪に悩みを抱える子どもたちが、自由に好きな髪型やファッションを楽しめるように、まずはヘアドネーションという活動について知ることから始めてみませんか。




