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pecoさんが語る、好きを貫くおしゃれと「60%」のセルフケアとは

「自分らしく生きる」と言葉にするのは簡単でも、実践するのは意外と難しいもの。周囲の目が気になったり、「こうあるべき」という固定観念に縛られてしまうこともあるかもしれません。そんな中で、幼い頃から一貫して「自分の好き」を信じて生きてきたのが、タレント・ブランドプロデューサーとして活躍するpecoさんです。80〜90年代のムードをまとった独自のファッションスタイルを楽しみながら、母として、1人の女性として、飾らない言葉を発信し続けてきました。今回はpecoさんの原点から、好きなものを長く愛することの大切さ、ジェンダーバイアスにとらわれない子育て、そして「60%でがんばる」セルフケアの考え方までを伺いました。

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「好き」を信じることが、自分らしさの原点になった

——まずは、pecoさんの原点について教えてください。どんな子ども時代を過ごしていましたか?

小さい頃からずっとおしゃれが大好きでした。4~5歳くらいでファッションに目覚めて、耳に輪ゴムを貼ってピアスのように見せたり、ネイルサロンに連れて行ってもらうこともありました。

——ご両親からは、どのような影響を受けましたか?

父は、今では珍しいほどの「昭和の亭主関白」を思わせるタイプのお父さん(笑)。でも、子どもと動物にはとても優しくて、私が学校で怒られるようなことをしても、むしろ「面白いやん」と一緒に楽しんでくれるような人でした。一方で母は、いわゆる「ザ・大阪のおばちゃん」。とても前向きで、何か嫌なことがあっても「はい、ほんなら次いこか!」と一瞬で切り替えるタイプで、私の人生観にも大きく影響していると思います。そして何より、両親は私と誰かを比べることがなく、私の好きなものや「やりたい」という気持ちを否定したこともありませんでした。その経験が、今の私の考え方や生き方につながっていると思います。

——その頃から今まで、変わらず大切にしている価値観はありますか?

「人の目を気にしすぎないこと」かもしれません。子どもの頃から、人と同じものを選ぶよりも、自分が「いい」と思うものを大事にしてきました。人とは違うものを好きになることが多かったので、実は友達とお揃いのものを持つのもあまり得意ではなくて(笑)。周りの子よりも服へのこだわりは人一倍強かったと思います。当時はSNSもなかったですし、ファッションの話を共有できる友達は少なかったと思います。

でも、中学生でブログを始めてから世界が変わりました。自分の好きな服を着た写真を載せたら「かわいい」と言ってくれる人がたくさん現れて、その人たちのブログを見てみると、「同じような感覚を持つ仲間がこんなにいるんだ!」と感じたんです。そこから、「自分の好き」を確信できた気がします。

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好きなものを、長く着る。 pecoさんのファッション哲学

——服選びで意識していることはありますか?

そこまで意識していることはないんです(笑)。でも、私は80〜90年代のファッションが好きなので「今この服を着てその時代にタイムスリップしても違和感がないか」ということは意識することはあります。でも、それ以外はシンプルで「着たいか着たくないか」という基準だけです。だから、昨日着た服でも、今日も着たいと思ったら着ます。最新のトレンドかどうかで決めるというより、自分の気分や感覚にしっくりくるかどうかを大切にしています。

——1つのモノを長く愛用するタイプですか?

私は新しいものを次々取り入れるより、気に入ったものを長く使い続けるタイプですね。コスメも服も好きなものは何年でも着ています。「去年買ったからもう前のもの」という感覚はあまりなくて、10年前に買ったコートは今でも現役です。好きな服を長く着ている自分に満足しているんだと思います。

——お子様の服選びや買い物で大切にしていることはありますか?

息子が赤ちゃんの頃は、古着や私がかわいいと思う服をよく着せていました。でも、3歳頃から本人のこだわりが出てきて、今は7歳なので基本的には本人に任せています。「寒いから上着を着てね」などの基本的なことは伝えますが、組み合わせや好みについては口出ししません。私の感覚とは違っていても、息子がその服を着たいと思うなら、それが一番いいと思っています。服を選ぶことは、大切な自己表現の一つだと思うので、できるだけ自由に楽しんでほしいなと思っています。

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「男の子だから」とは言わない。 ジェンダーバイアスのない子育て

——子育ての中で、特に大切にしていることはありますか?

「男の子だから」と言わないように意識していますね。息子に対してはもちろんですが、息子の友達の話をする時も、「男の子だから」「女の子だから」という言葉は使わないようにしています。息子本人は今、いわゆる「かっこいい」ものが好きです。でも、だからといって私から選択肢を狭めることはしたくはないんです。たとえ選ばないと分かっていても、選択肢にできるだけ幅を持たせて提示するようにしています。「これを選んでもいいんだよ」という可能性を、常に開いておいてあげたいと思っています。

——親として「こうあるべき」と思うこともありますか?

「どんな状況でも子どもを幸せにするのが親の役目」という覚悟は持っています。でも、だからといって親がネガティブな感情を隠して、ハッピーなふりをしなければいけないとは思っていません。気持ちに余裕がない時は、そのままの様子を息子にも見せています。ただ、なるべく面白おかしく伝えるようにしていますね。例えば食器洗いが嫌な時は「食器洗いたくない〜」とふざけた感じで言うと、息子が笑ってくれるんです。その瞬間に、私自身の心もふっと軽くなる。息子には、私のことを必要以上に心配しながら大人になってほしくありません。だからこそ、自分の感情をコントロールして、家の中を安心できる空気に保つことを大切にしています。

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“100%がんばる”を手放す。 「60%で生きる」セルフケア

——仕事と子育てを両立させるために葛藤を感じることはありませんか?

実はあまりないんです。というのも、私は仕事も子育ても家事もプライベートも、全部60%くらいの力で向き合うようにしていて、最初から100%を目指さずに、余白を残しています。そうすれば、「もう無理」と感じるほど追い込まれることはあまりありません。これは最近意識し始めたことではなく、幼い頃から自然とそういった感覚で生きてきました。私はきっと、自分の機嫌の取り方をよく知っているんだと思います。

——自分の機嫌を取るために、具体的にはどんなことをしていますか?

嫌なことがあったら、思い切って全部やめて昼寝したりします(笑)。私は「諦める勇気」を持っているんだと思います。例えば、洗濯物が山積みでも、食器が溜まっていても、「今やるのはしんどいな」と思ったら思い切って昼寝しちゃう。後で大変になることよりも、今の自分の心の平穏を優先します。そして、そうやって手放せた自分に「今日も自分を大事にできて偉い!」と声をかけてあげる。心の中でも言いますし、口に出すこともあります。私は、自分の中では、自分に優しい考え方をしてもいいと思っています。

——最後に、若い世代に伝えたいことはありますか?

こういう話をすると、「すごい」「私もそう生きていきたい」と言ってもらうことが多いんです。でも、「自分もそうならなきゃ」と思わなくていいと思っています。もしがんばりすぎてしまう自分がいるなら、「自分ってダメだな」と責めるのではなく、「こんなに自分を犠牲にしてまでがんばっているんだな」と認めてあげてほしいです。ネガティブな気持ちになることも、全然悪いことではありません。どんな状況でも、どんな気持ちでも、今この瞬間の自分をぎゅっと抱きしめてあげてくださいね。


「自分の好き」を信じること。人と違っても、自分が心地よいと思う選択をすること。pecoさんの言葉の端々には、自分を置き去りにしないためのヒントが詰まっていました。ファッションも子育てもセルフケアも、すべては「自分の感覚を肯定する」ことから始まります。100%を目指さず、今の自分をそのまま受け入れている。それが、自分を大切にするための一歩になるはずです。


※本記事は2026年4月時点の取材に基づいた記事です。

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ペコ

1995年生まれ、大阪府出身。タレント。7歳の息子を持つ1児の母。デザイナー・プロデューサーを務めるファッションブランド「Tostalgic Clothing」を2023年に立ち上げる。原宿のカリスマ読者モデルとして10代を中心に絶大な人気を集め、パートナーのryuchellさんとバラエティ番組やTVCMに多数出演。2018年7月に第1子を出産。育児や生活の様子を投稿したSNSが人気。著書は、ファッションや家族、子育て、パートナーのryuchellさんとの出会いから結婚まで、その後2022年に夫婦関係を解消し新しい家族として同居も子育ても一緒にするという決断をし、その発表に至るまでのリアルな気持ち、葛藤について綴った初のエッセイ『My Life』(祥伝社)。2025年、『第18回ペアレンティングアワード』“ヒト部門”を受賞。

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