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アニマルウェルフェアとは?リンゴやキノコから作られた、動物の皮を使わないレザーも登場

旧石器時代より前から、人は狩りで得た動物の毛皮を身に着けて寒さをしのいできました。それからも動物の毛皮は、地位や権威の象徴として装飾の役割を持つようになるなど、ファッションの歴史と動物は切っても切れない関係ですが、最近、動物愛護の観点から注目を集めているのが“アニマルウェルフェア”という考え方。アニマルウェルフェアとは、感受性を持つ生き物としての家畜に心を寄り添わせ、誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできる限り少なく、行動要求が満たされた、健康的な暮らしができる飼育方法をめざす畜産のあり方。(一般社団法人アニマルウェルフェア畜産協会HPより引用)今回は、そんなファッション業界のアニマルウェルフェアについて紹介します。

この記事でわかること

  • 海外メゾンブランドやファッション雑誌にも広がるアニマルウェルフェア
  • 日本のアニマルウェルフェアの現状
  • 動物にも環境にも優しい新たな選択肢「ヴィーガンレザー」
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ファッション業界の アニマルウェルフェアって?

「GUCCI」や「SAINT LAURENT」で知られるグローバル・ラグジュアリー・グループのケリング・グループは、2022年の秋冬コレクションから全てのブランドで毛皮の使用を停止すると2021年9月に宣言し、2019年に「動物福祉スタンダード」を策定しました。ケリングのサプライチェーンを構成する世界中の全ての動物種を対象とし、牛、羊、山羊の生涯を通じての扱いに関する詳細な要件とガイドラインとなっています。これは、ファッション業界において動物福祉を保証する初の包括的な規定となりました。また、2025年までにアニマルフリー達成率を100%にする計画は、業界全体の変化を促すことも目的としています。

アニマルウェルフェアの動きが見られるのはブランドだけではありません。1945年にパリで創刊され、現在では45の国と地域で販売されている世界最大級のファッション・ライフスタイル誌「ELLE」は2021年12月、毛皮を使った商品の掲載を一切停止する方針を明らかにしました。このように、アニマルウェルフェアの考え方は世界で拡大中。私たちにとって身近なものになりつつあるのです。

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日本の状況は?

では、アニマルウェルフェアに関する日本での認知状況はどうでしょうか。2022年に、アニマルライツセンターが行った調査(※)では、約8割の人が畜産動物の実態について「何も知らない」と回答しました。年々認知度は上昇しているものの、海外と比べると、日本でのアニマルウェルフェアの考え方はまだまだ浸透していないと言えるでしょう。

一方で、20・30代女性から多く支持を集める「SNIDEL」や「FRAY I.D」などを展開するマッシュホールディングスが、2016年にグループ企業全体で「ファーフリー(リアルファーの使用廃止)」を宣言するなど、日本でもアニマルウェルフェアを促進する動きがあります。

出典:「2022年 畜産動物に関する認知度調査アンケート」アニマルライツセンター 調査期間:2022年3月16日~2022年3月17日 対象:ネットモニターうち、15才以上男女 1,214人 https://www.hopeforanimals.org/animal-welfare/2022survey/

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アパレル生産過程の実態から考える、アニマルウェルフェアとファッションの両立。

ファッション業界は長い間、様々な動物の皮革や毛を衣類の素材として使用してきました。私たちが身につけている、毛皮、レザー、ウール、ダウン、カシミヤ、モヘヤなどのファッションアイテムは、動物たちの恩恵を受けて成り立っています。しかし、痛みを伴う状態で毛刈りがおこなわれてきたという一部の生産現場も…。私たちは、アニマルウェルフェアとアパレル生産を両立させる、より良い方法を模索する必要があります。

——本当にリアルレザーは使わない方がいいの?

牛や豚、羊など家畜の皮を原料とするリアルレザーは、家畜の飼育による温室効果ガスの排出や農耕地の開拓、大量の排水、ひいては飼料を生産・輸入する際に生じるエネルギーなどが環境問題の一因となることが懸念されています。しかし、市場に出回っている牛や豚ブタなどのリアルレザーは、畜産業で生じる副産物を革へと有効利用していることがほとんどです。鞣(なめ)された皮は、皮革製品として余すところなく利用されています。

また、リアルレザーはその丈夫さから長期間にわたって使うことができるのが、魅力の1つ。長く愛用すると決めたものはリアルレザーの素材を選ぶなど、レザーとの付き合い方を見つめ直すのもいいのではないでしょうか。

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動物性由来の原料を使わない、 新しいアプローチ。

動物の皮を使用せずにレザーの見た目と質感を再現した素材で作られるフェイクレザー(合成皮革)。従来のフェイクレザーには、石油を原料とするポリウレタンや塩化ビニルが使用されており、石油資源を消費することによる温暖化の進行が指摘されてきました。

そこで、地球環境に配慮し、植物を主原料とすることで注目を集めているのが、ヴィーガンレザーです。原料をリサイクルする工程があるため、フェイクレザーに比べると高価ですが、動物愛護・環境配慮の両方の観点から、よりサステナブルな素材であると言えます。

リンゴジュースをつくる際に廃棄される皮や芯を活用して生まれた「アップルレザー」、キノコの菌から革のような繊維を作り上げる「キノコレザー」など、様々な素材植物がレザーへと姿を変えています。

20年近くに渡りファッション業界にエシカルファッションの重要性を発信し続けてきた「STELLA McCARTNEY」をはじめ、自動車メーカーのフォルクスワーゲンがシートの表面に「AppleSkin」というリンゴからできたレザーを採用するなど、ヴィーガンレザーを取り入れる企業が増えてきました。

ファッションアイテムの素材について考え直すことは、私たちが長くファッションを楽しみ続けることに繋がります。アニマルウェルフェアの観点を意識しながら、アイテムとの付き合い方を考えてみたり、ヴィーガンレザーなどの新しい選択肢にチャレンジしてみませんか。

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