ファッションとフードロスの関係って?意外と知らない食品由来のファッションアイテム
「国民一人ひとりが毎日お茶碗1杯分の食べものを捨てている」、そう聞くと衝撃的ですが、これは農林水産省の令和3年度の調査が明らかにした日本の現実です。1年間に約523万トンの「食品ロス」、約279万トンの「フードロス」が発生しています。日本だけでなく、世界中で深刻な問題となっていますが、ファッションの力でフードロスに貢献できることはあまり知られていません。
フードロスって何?日本の現状
まだ食べられるにもかかわらず廃棄される食品のことを「食品ロス」と言います。収穫後から小売業者や飲食店の市場に出る前までに発生する食品廃棄を指すのが「フードロス」。日本でもこの食品廃棄物量(※)が大きな問題となっています。
(※)https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/attach/pdf/161227_4-73.pdf
世界におけるフードロス対策
日本だけでなく世界中で食品ロスが深刻な問題として挙げられています。各国のフードロス対策をみてみましょう。
・アメリカ
アメリカは、食品製造業者から作りすぎた食品を回収し、貧困により食糧獲得が困難な人々に渡されるフードバンクの発祥国。「Feeding America」を筆頭に食品寄付量は推計で年間739万トン(2018年)と世界最大です。
・ヨーロッパ
フランスでは2016年に施行された「食品廃棄禁止法」により、食品廃棄には罰金が課せられるように。イタリアでは罰則のない法律ですが、食品寄付をした団体は税免除を受けられ、結果として食品廃棄を減らせる仕組みづくりをしています。
フードロス削減のためのアクション
近年は、捨てられる予定だったりんごの皮を再利用した「アップルレザー」の鞄や小物類、コーヒーの抽出かすや果物や野菜かすで染めた衣服などのアイテムが多く製作、販売されています。購入する際、素材が何でできているのか、どの様な工程で製作されたものなのかを確認して購入することもフードロス削減に繋がります。
<食品に対するアクション>
・訳あり商品の購入
スーパーや小売店にて、シーズンの入れ替えや在庫数が原因で安くなっている「見切り商品」や、食品の形や傷により出荷先の基準をクリアできなかった「規格外商品」。近年は「見切り商品」や「規格外商品」商品であっても、廃棄される前に販売されることが増えため、これらの商品を購入することでも、フードロス削減に貢献できます。
<アパレル業界のアクション>
・廃棄食材を再利用する「FOOD TEXTILE」
廃棄予定野菜の成分から染料を抽出し、綿や糸、生地などを染色するサステナブルブランドの「FOOD TEXTILE」(※)。オリジナルアイテムの展開だけでなく、国内の様々なブランドとコラボレーションした商品を販売し、ファッションからフードロス削減に貢献しています。
・食品廃棄を繊維に
牛乳のタンパク質を再利用した「QMILK(※1)」やオレンジのセルロースから生地をつくる「Orange Fiber(※2)」など、食品を繊維へと変換させるブランドが世界中で登場。どちらもシルクのような肌ざりで、着用にも安心です。
(※1)https://www.qmilkfiber.eu/uber-uns?lang=en (※2)https://orangefiber.it/
・キノコ菌からシューズを製作!?
世界的スポーツブランド「addidas」がキノコ菌からつくられた新素材「Mylo™(マイロ)」を使ったシューズを製造。「Mylo™(マイロ)」は、約2週間単位で成長しながら、無限に生育するキノコ菌からつくられています。生地がやわらかく、柔軟性があるため、様々なアイテムに汎用ができそうです。
ZOZOTOWNでも エコ素材製品を取り扱っています
CASA FLINE
リンゴから作られる、アニマルフレンドリーな次世代素材「アップルレザー」を使用したスクエアトゥのパンプス。少し幅広なスクエアデザインがシャープで大人らしい印象。太さのあるヒールで疲れにくく設計されています。
HUMAN WOMAN Urth Coffe
「Urthe Coffe」とのコラボロゴTシャツです。Urth Coffeのお店で出るコーヒーかすを使用して染めたコーヒー染めの40/2天竺。ややしっかりした手触りが特徴です。
今回はフードロスの現状と、その対策について紹介しました。様々なところでフードロス削減へ向けて対策案を講じていますが、私たちが簡単にできるアクションの一つとして食べ残さない範囲で食品を購入したり、どうしても食べきれない場合はドギーバッグを利用するなど普段の食生活を見直してみることからはじめてみませんか?