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CAMPERの水平リサイクルを実現させる、素材と構造へのこだわり

外出時に欠かせないパートナーであり、足元のおしゃれを彩る靴。しかし近年、衣類と同じく大量廃棄が問題視されており、素材の見直しやリサイクルの仕組みづくりが急務となっています。そんな中、スペイン・マヨルカ島に本社を置くシューズブランド「CAMPER(カンペール)」は独創的なアイデアで靴業界のサステナビリティをけん引しています。今回は株式会社カンペールジャパンの代表取締役社長である坂下修さんにブランドが掲げる哲学と、未来を見据えた循環型の靴づくりについて伺いました。

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150年の歴史が築いてきた、 ものづくりへのこだわり

——CAMPERのサステナビリティにおけるスローガン「A little better. Never perfect.(少しずつより良く。でも、完成形はない)」という言葉には、どのような想いが込められているのでしょうか。

これは当社のサステナブルなアクションを進めるうえでのスローガンで、「完璧な答えを求めて立ち止まるより、まずは一歩ずつ、少しずつでも地球環境のためにできることを進めていこう」という想いが込められています。一方で技術やデザインも常に進化し続けるものですから、「決して完成形なんてない」という考え方はCAMPERのものづくりにも通じていると思います。

——シーズンごとに独創的なデザインを発表していますが、靴づくりでこだわっているポイントは?

CAMPERの靴づくりは「Playful(遊び心)」と「Comfort(快適)」という二つの側面を大事にしています。スペイン・マヨルカ島にある本社アトリエでは、一人のデザイナーに一人のパタンナーが付くという2人一組で企画をおこなう珍しい体制をとっています。すぐ隣の部屋には靴をつくる職人が控えているため、アイデアを即座に形にし、サンプル制作まで一貫しておこなうことができています。このクラフトマンシップに基づいた環境こそ、1877年に靴製造を開始したアントニオ・フルーシャから150年受け継がれてきたCAMPERの強みです。

——素材選びの基準についても、サステナブルな変化が起きているとお聞きしました。

CAMPERでは素材の製造過程で環境に与える影響も配慮し、認証団体が認証した再生素材・天然由来の素材への移行を加速させています。アッパーとライニングに関しては、2024年のSSコレクションの時点で全体の97%、AWコレクション時点で99%がそれらの素材に置き換わりました。アウトソールは、100%再生素材だと強度やパフォーマンスに問題が出るので、現在はバイオ由来EVA、リサイクルTPU、リサイクルラバー、天然ラバーなどを品質基準と照らし合わせて使用しています。2026年には、さらに高い比率を目指して企画を進めています。

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斬新なアイデアで「捨てない未来」をデザインする

——パーツを分解してリサイクルしやすい「ROKU」、単一素材で100%リサイクル可能な「KOBARAH」「WABI」など、革新的なアプローチを続けています。こうした循環型のアイデアは、どこから生まれたのですか。

現在、世界では年間220億足以上もの靴が廃棄され、そのうち9割以上がリサイクルされず埋め立てや焼却されていると言われています。これは、大半の靴が複数の素材を使用し、アッパーとアウトソールを強力な接着剤で接着し、容易に分解ができないことが主な原因です。「ROKU(ロク)」は、この問題を解消するため、文字通り6つのパーツを紐で固定し、簡単に分解できることで素材のリサイクルを可能にしています。「KOBARAH(コブラ)」「WABI(ワビ)」も含め、これらのアイテムは、靴を作る側の責任として、使い切った後の再マテリアル化を実現させるデザインが採用されています。

6つのパーツから出来ており、分解できる「ROKU」

——今、特におすすめしたいモデルを教えてください。

スニーカーの「Karst 2(カースト2)」は、超臨界発泡技術を用いてCAMPERが開発したミッドソール「Rexarge®(レクサージュ)」を搭載し、驚くほどの反発性と衝撃吸収性を実現しました。また、「Vibram® Ecostep(ヴィブラム・エコステップ)」のアウトソールと相まって長時間でも疲れにくい、快適な歩行をサポートします。

Karst 2

「Drift Trail Sandal(ドリフト トレイル サンダル)」は柔軟性のある構造で、高いグリップ性とフィット感を兼ね備え、軽やかな歩行をサポートします。レザーシューズ派の方には、CAMPERの新技術である「ブリッジ エクストラグリップ テクノロジーアウトソール」とEVAミッドソールを組み合わせることで軽量性とクッション性を両立し、防水性も抜群な「Brutus+(ブルートゥスプラス)」がおすすめです。

——近年、日本の若年層の間でCAMPERの存在感が急速に高まっているように思います。どのような部分が若者にフィットしていると考えていますか。

現在のクリエイティブディレクターであるアキレス・イオン・ガブリエルが、ブランドのアイデンティティを現代的なフィルターで再解釈し、デザインやプロモーションにも反映したことが大きいと感じています。それが今の若いお客様にうまく伝わっているのかと。

「今のCAMPERをもっと知ってもらいたい」という一心で表現してきた我々のプロダクトやプロモーションが、若い世代の感性に響いているのは非常に嬉しいですね。

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愛着のある靴と長く付き合うために

——自分に合う靴選びもサステナビリティを実現させる要素の一つであると思います。CAMPERが推奨する靴選びのコツを教えてください。

長く愛用できる靴は、足長、足幅、甲の高さまで含めてフィットしているのが条件です。サイズが合わないと靴に無理な負荷がかかり、アッパーやソールの劣化を早めてしまいます。甲が低い高いといった特徴がある場合は、レースアップシューズやベルトでフィット感を調整できるものを選ぶのも良いと思います。ソールは適度な厚みとクッション性があると歩行時の衝撃を分散しやすく、摩耗を抑えることができます。薄いソールは軽快な履き心地が魅力ですが、日常的に履く場合は耐久性も意識しておきましょう。また、歩き方の癖に合わせて、接地面の広い安定したソールを選ぶことも長持ちさせるコツです。

——日々のお手入れについてもアドバイスをお願いします。

スニーカーは着用後、風通しの良い場所でしっかり乾かしてください。汗や湿気が残っていると素材の劣化や臭いの原因になります。インソールは外して乾かすと清潔な状態を保てます。サンダルは肌に直接触れる部分が多いので、着用後に乾いた布で汗や皮脂を拭き取るだけでも劣化防止につながります。レザーシューズは履いた日に軽くブラッシングをして、ホコリや汚れを落とし、月に1〜2回程度クリームで油分を補うことで革の柔軟性と美しさを保つことができます。

——今後のCAMPERの展望、ビジョンを教えてください。

サステナビリティ活動に関しては単なる素材の変更だけでなく様々な事に多角的に取り組んでいますが、まだまだ取り組むべき課題は山積しています。まさに「Never Perfect」ですので、やるべきことに真摯にかつ丁寧に取り組んでいきたいと思っています。スペインの本社は社会や環境に配慮した企業であることを示すB-Corp認証を2022年に受けており、私たちカンペールジャパンも現在取得を目指しています。ブランドとしては、歩くという行為を通して人々の生活を豊かにできるようなモノづくりを今後も続けていきたいと思っています。

CAMPER

カンペール

1975年にスペイン・マヨルカ島で生まれたフットウェアブランド「カンペール」。世界で約40カ国400店舗、日本では現在全国約50店舗にて展開中。地中海の豊かな自然にインスパイアされた先進的なデザインと、職人のクラフトマンシップに最先端イノベーションが融合して生まれた極上の履き心地が、「歩く」という移動手段を「楽しくて幸せな時間」へと昇華します。カンペールを履いて、いつもよりちょっぴり幸せな非日常の世界へ。Walk, Don’t Run. (歩こう。走らず、ゆっくりと。)

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