天然素材「ウール」が地球にやさしい3つの理由
ニットやセーターなど、秋冬のファッションには欠かせないウール。古くから親しまれている繊維のひとつで、しかも環境にやさしい素材なんです。お馴染みの素材がどう地球に貢献しているのか、ザ・ウールマーク・カンパニーさんにお伺いしました。
ウールの特徴とウールマーク認証
ウール(羊毛)とは天然繊維の一種で、羊の毛が原料の動物繊維。高い吸放湿性のほか、消臭性や断熱性などの様々な機能性に優れています。一説によると、紀元前9000年に南西アジアで羊の家畜化が始まり、この時期からウールも使われ始めたと考えられています。
・本記事は、アパレル産業で使用されるウール素材のうち約70%の使用率を占める「オーストラリアの牧羊・羊毛産業」の視点から作成しています。
ウールを生み出す羊は世界に約3,000種類以上生息するといわれていますが、アパレル製品に適した毛を生やす代表的な品種は、オーストラリアに多いメリノ種です。各種のウールの中でもオーストラリア産メリノウールは特に繊維が細く柔らかであるため、高級なウール繊維とされています。
ウールマーク認証とは、一定量以上のウールが製品に使われていること、また各種の厳しい品質基準を満たしたウール製品であることを証明するもの。第三者機関の品質試験によって、ザ・ウールマーク・カンパニーの定める厳しい品質基準に合致することが証明されたウール(混)製品にのみ、この認証が使用可能です。
提供元:ザ・ウールマーク・カンパニー
ウールがサステナブルである3つの理由
①100%生分解が可能
ウールは土壌中・海洋中のどちらでも生分解されるため、化学繊維とは異なりマイクロプラスチック・ゼロで水質を汚染せず、環境への負のインパクトが小さいといわれています。それだけでなく、生分解の際に繊維を構成するタンパク質がアミノ酸となって放出されるため、「土壌を豊かにする」という特徴も備えています。
②洗濯回数が少なく済むので、水資源も守られる
繊維自体の防汚性と消臭性が高いため、洗濯をしなくても長く快適に着用できます。また洗濯回数が少なく済むだけでなく、他の素材と比べて少量の洗剤・水で洗濯可能です(ウール用の洗剤を使い、ネットに入れて洗濯機の「おしゃれ着洗い」「ドライクリーニングコース」で短時間洗ってください)。
③アニマルウェルフェアにも配慮(※1)
牧羊国の多くは「動物の5つの自由(The Five Freedom for Animals)」(※2)に沿った動物福祉の基準を設定し、羊をストレスフリーな環境で飼育しています。中でもオーストラリアの動物福祉基準は他の国より高く、WOAH(国際獣疫事務局)のレポートでは47項目のうち38項目で最高の適格性を獲得しており、羊の健康や自然環境にも配慮した牧羊がおこなわれています。
(※1)出典:家畜を快適な環境下で飼養することにより、家畜のストレスや疾病を減らすこと 農林水産省 https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/animal_welfare.html (※2)出典:農林水産省資料 https://www.maff.go.jp/j/chikusan/sinko/attach/pdf/animal_welfare_iken-7.pdf
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長い歴史を持つウールには、様々な天然の機能性と環境負荷が低い特徴があることが分かりました。ウールを生活に取り入れて、心地よいライフスタイルを送ってみてはいかがですか。




