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フィーチャー

アップサイクルの魅力は「想像を超える面白さ!」−YuumiARIAデザイナー鈴木ゆうみさん【後編】

原宿に拠点を構える「NewMake Labo」では、日々コミュニティメンバーが集い、服や作品づくり、アップサイクルなど、様々な取り組みがおこなわれています。今回は、古着リメイクアーティストでもあるデザイナーの鈴木ゆうみさんのアップサイクルを覗かせていただきました。

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形を変えて新たなものに生まれ変わる “アップサイクル”

YuumiARIA(ユウミアリア)デザイナー 鈴木ゆうみさん 2001年文化服装学院卒業後、メンズブランドを経て独立。2008年より古着をベースとした一点もののリメイクブランド「ARIA」をスタート。2011年よりコレクションラインをスタートさせ、2014年に「YuumiARIA」に改名。

——洋服のアップサイクルを始めたのはいつからですか?

約15年前からです。ある会社のデザイナーアシスタントを辞め、古着店で集められた古着を仕分けるお手伝いをしていた時、世に出られない洋服が山ほどある現実を知り、ショックを受けました。どうすればこの洋服たちを再び着てもらえるのだろうと考えてアップサイクルを始めました。

——実際に洋服の廃棄問題を肌で感じ、取り組みを始められたのですね。アップサイクルの魅力は何ですか?

一つとして同じものがないところです。売れ残ってしまったものや古着は、素材や年代、値段も幅広く、想像力をかきたてます。製作過程で余った生地をプラスしたり、形を加えてみたり。最初とは全く違うデザインになることもあるんですよ。

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スポーツブランドのトップスが “夏に着たいトップス”にアップサイクル

——今回のアップサイクルについて教えてください。

1着目は、メンズとウィメンズのカットソーでキャミソールを製作しました。3着分の生地を使用することでボリュームを出し、裾はあえて切りっぱなしのデザインにしています。

(左)元のウール素材のカットソー(右)アップサイクルされたキャミソールトップス

製作過程で出たカットソーの残布。これもまた別の用途で活用される。

——どのようにデザインを決めていくのですか?

素材の季節感や機能性、その時に着たいと思う丈やシルエットを大切にしながらデザインしていきます。どんな風に着たいか、アイデアをたくさん出しながら、少しずつ狭めていくイメージです。

素材の質感にあわせてデザインを変えていく。今回は薄手のウールの動きを活かすために、ボリュームのあるかたちを採用した。

——元の形があることが制約にならないのは面白いですね。

アイデアがあれば、いくらでも違う形にできるんです。アップサイクルは、ゴールを変えられるもの。そして、それを誰かに着たいと言ってもらえることもとても嬉しいです。

今回アップサイクルされたトップス。YuumiARIAのオリジナル生地の残布を袖に重ね、ボリューム感と華やかさをプラスしている。

元のワッフル素材のトップス。(左)表(右)裏

——鮮やかな柄の生地が加わって華やかな印象です。

こちらはワッフル素材のトップスとYuumiARIAのオリジナル生地を組み合わせています。1着目のキャミソールと合わせることを考えてショート丈にしました。

トップスのフリル部分には、23SSのYuumiARIAで使用したオリジナルプリント生地を使用。

キャミソールの裾をイレギュラーにすることで動きをだした。

——アップサイクルする際に工夫されていることは何ですか?

プロダクトそのものの良さを残しながら、新しいデザインを取り入れることです。元の素材や素晴らしいデザインを生かしつつ、違った雰囲気にしても面白いのでは?と考えています。

あえて裾に元々のロゴマークを残して。

アップサイクルは、サステナブルであると同時にワクワク感や、つくり手の思いをつなぐ素晴らしい取り組みです。自分ごととして考えるのが難しい環境問題ですが、気軽にできることから始めるのはいかがでしょうか。例えば、使い終わったタオルを雑巾としてまた使うこともアップサイクルのひとつ。どんな大きな変化も、最初は小さな一歩から始まります。

アトリエの前で、「New Make」 ディレクターの吉村 真由さんと。

NewMake Labo

ニューメイク ラボ

デザイナーやクリエイターなど多様な背景を持ったコミュニティメンバーが集まり、国内外のブランドや企業から廃棄予定品をブランドストーリーとともに受け取り、Laboにある機材や資材を活用して自由にNewMake(=アップサイクル)するアトリエ。縫製だけでなく、メンバーそれぞれの得意な領域を活かし創作をおこなっています。

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