毎日3分の習慣で心を充電。忙しい自分を助けるマインドフルネスのすすめ
「マインドフルネス」という言葉を知っていますか?集中力を高めたり、心身のコンディションを整える効果が期待できるとして、全世界で注目されています。今回は、スペインを拠点にマインドフルネス講座の講師を務める飯塚 えみさんにマインドフルネスについて解説していただきました。
マインドフルネスとは?
マインドフルネスとは意識を今この瞬間に向け、今ここで起こっていることを認識すること、ただ目の前のことに集中する状態を指します。
ありのままの自分を観察する方法として、例えばコーヒーを飲む時に、色や香り、舌触りまで五感を使ってじっくり味わってみたり、歩く時や手を洗う時など、日常の些細な行動に対しても意識を向けてみると、何かにとらわれていた心がニュートラルな状態になっていきます。そして、それらを続けていくことで心と体も穏やかに調和していきます。
仏教に由来をもつマインドフルネスは、70年代に広く知られるようになりました。
2007年にGoogle社が始めた能力開発プログラム、SIY(サーチ・インサイド・ユアセルフ)にも採用され、プログラム終了後にはスタッフの幸福度が上がったとしてシリコンバレーでマインドフルネスが広まりました。
マインドフルネスによる効果
人間はストレスを感じると呼吸が浅くなったり、血流や心拍も速くなっていきます。無意識に身体に力が入っている状態になってしまいますが、マインドフルネスの実践を続けると、ストレスに対して感情的ではなく、より理性的に物事を捉えられるようになります。免疫力の改善、血圧、血中コレステロール、血糖値の低下なども検証されており、ストレス由来である症状が軽減、緩和されていくと少しずつ体がほぐれて、健康状態の改善という身体面での変化が期待できます。
また、身体の状態が良くなると精神面にも良い変化が出てきます。心と体はつながっているので、精神的なストレスで眠れなかったり、自己批判をして落ち込みやすかったり、という精神面での不安もマインドフルネスの実践によって改善が期待できます。自分を見つめなおし、新しい選択ができるようになるかもしれません。
マインドフルネスを実践してみよう
マインドフルネスであるためには、「今ここ」にしっかり意識を向けることはもちろんですが、その意識が「今ここ」からそれたことに気づくための注意力が必要になります。この注意力を養うための実践の一つが「瞑想」です。
頭の中が忙しかったり、心が不安でいっぱいで何にも集中できなくなってしまったり……。意識が「今ここ」にない時、「瞑想」を取り入れてみましょう。
1. まず呼吸に意識を向ける。
2. 吐く息で身体から力が抜けていることを確認する。
3. 自分に向かって「今何が大切?」と問いかける。
この3ステップを「吸って/吐く」の3呼吸で実践してみてください。
ヨガの呼吸法における瞑想と混同される場合がありますが、瞑想はそれぞれ違った心の状態を目指しておこなうもの。ヨガの呼吸法は呼吸をコントロールしていくことが目的なのに対して、マインドフルネスにおける瞑想は、自分の身体が自然におこなっている呼吸で自身を観察することが目的です。
私たちが1日におこなう呼吸のほとんどは無意識におこなわれています。まずは移動中などの隙間時間でもいいので、最初のステップ「呼吸に意識を向けること」から始めてみてはいかがでしょうか。
たくさんの情報が溢れる現代社会の中で、人間関係や仕事、勉強など様々なストレスや悩みに囲まれている人も多いと思います。忙しい現代社会の中で、立ち止まって深呼吸をし、自分にとって今大切なことは何かをはっきり問いかけていくことはとても重要です。布団に入る前や食事の前後……。少しでも毎日の習慣とセットにしてマインドフルネスの実践を取り入れて、自分と向き合う時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。