《背面に施された横方向の調節ストラップ|束縛の中に自由の言語を見出す》
このデザインは、かつて女性の身体を矯正する道具として存在したコルセットやウエストシェイパーから着想を得ています。
かつては「抑圧」や「従属」の象徴とされてきたそれらの記号を、Seivsonは「力」や「自己表現」へと再構築しました。
ストラップは肩へと伸びる位置に設計されており、それはまさに姿勢や動作を支える軸となる場所。
緊張と解放のバランスを象徴するラインを描きながら、「主体性は自らの手にある」という美学を表現しています。
この調節ストラップは締め付けのための機能ではなく、装飾性と構造性を融合させることで、服と身体との対話を生み出す空間として存在しています。
《フロントプリント|構造的コルセットのクローズアップ》
胸元に配されたビジュアルプリントには、Seivson 2025年秋冬メインシリーズの象徴的モチーフ――構造的コルセットの一部をクローズアップした図像を採用。
かつて女性が社会の美的基準や規範に従うために身につけていた、抑圧的な服飾アイテムとしてのコルセット。
それは身体と行動の自由を物理的に拘束していた象徴でもあります。
その構造的な形状を視覚的言語の一部として再解釈し、あえて外観を残すことで、女性が歴史的な身体規律からいかにして主体性を取り戻すかという問いを投げかけています。
プリントは左右対称にジッパーが展開するデザインで構成され、中央にはブランドロゴが記されています。これは「女性の自己主導性」というブランドのメッセージを視覚的に表現するものです。
《高オンスコットン素材|厚みと柔らかさ、そして構造的な安定感》
肌に優しく通気性に優れた、高オンスのコットン生地を使用。適度な厚みがありながらも柔らかく、変形しにくい特性を持ち、背面の立体構造をしっかりと支える役割を果たします。
プリントだけではなく、身体のシルエットや姿勢までもデザインの一部としてとらえる本シリーズにおいて、この素材選びは全体のバランスを整え、コンセプトをより深く体現するための重要な要素となっています。
《女性のためのシルエット設計|実用性と美しい姿勢を両立》
ドロップショルダーにやや広めの袖口を組み合わせ、肩のラインや腕のシルエットを美しく見せるディテールに。
柔らかさの中に芯を感じさせる、繊細で構築的なバランスを表現しています。
全体のシルエットは過度にオーバーサイズではなく、体型を程よくカバーしながらも美しく整える精緻なパターン設計。
体に密着しすぎず、自然なゆとりを持たせることで、着る人にとっての快適さと自由な動きを叶えています。