「PAGEBOYLIM」の誕生から見る、全ての人に寄り添うアダストリアのインクルーシブファッション
30を超えるブランドを展開するカジュアルファッション専門店チェーン株式会社アダストリア。2020年には性別や年齢を超えてファッションを楽しめるジェンダーフリーブランド「PAGEBOYLIM」も誕生しました。アダストリアのミッションである「Play fashion!」実現のために、洋服を通じた環境問題や社会問題へのアプローチについてお伺いします。
この記事でわかること
- 誰もが着たくなる、ジェンダーフリーな服づくり
- アダストリアのミッション「Play fashion!」を実現するための3つのサステナビリティ
- 販売計画の精度を上げて、必要以上の商品をつくらない
一人ひとりが楽しめるジェンダーフリーな ファッションを。ロゴやデザインが魅力の「PAGEBOYLIM」
——「PAGEBOYLIM」が誕生した背景について教えてください。
約40年の長い歴史があるレディースブランド「PAGEBOY」の新ラインとして、性別にとらわれずに楽しめるジェンダーフリーの洋服を作りたいという思いから、2020年6月に誕生しました。カジュアルブランドとしてのDNAは残しつつ、時代に合わせた新しいエッセンスを追加して新たなお客様にアプローチするブランドになっています。
プレス 岡元 久美子さん
実際に、「PAGEBOY」の主な客層が20代前半~30代の女性がほとんどだったのに対して、「PAGEBOYLIM」の客層は主に10代前半~20代そのうち10%〜20%は男性のお客様です。「PAGEBOY」とはまた少し異なり、柄モノやカラーのアイテムが人気で、ブランドの差別化も進んでいます。
——「PAGEBOYLIM」で特に人気のあるアイテムとその特徴を教えてください。
”ジェンダーフリー”をうたっているアイテムは、性別を限定しない無地でシンプルなものが多い中で、「PAGEBOYLIM」ではあえてロゴやグラフィックのデザインを採用しています。実際、大きなロゴやグラフィックが入ったアイテムはブランド設立当初から人気があり、男女関係なく「このデザインが着たい!」と思ってもらえるように、ロゴメッセージもポジティブでキャッチーなものを意識しています。商品開発に携わるスタッフには接客を経験した店舗出身者も多いので、現場の声を反映させながらお客様に寄り沿った服づくりができていますね。
——今後「PAGEBOYLIM」をどのようなブランドにしていきたいですか。
アダストリアのサブブランドの中で「PAGEBOYLIM」の売り上げが特に伸びていることからも、世間の需要に合ったブランドだと感じています。今は「PAGEBOY」の中での展開ですが、ゆくゆくは独立したブランドとしてより世界観を確立させていきたいです。カップルや友達同士など、関係の隔たりなく大切な人と一緒に着られるブランドになって欲しいですし、ブランドとしての認知をもっと上げていきたいです。
ディレクター 岡田菜生さん
アダストリアが取り組むサステナビリティ
——アダストリアではサステナブルな取り組みにも積極的ですよね。アパレル企業として、どのような想いでサステナビリティと向き合っているのでしょうか。
アダストリアのサステナビリティの考え方には、会社で掲げているミッション「Play fashion!」が根底にあります。「fashion!」とは、毎日をワクワクさせること、誰かと新しいものを創ること、それぞれの人生を楽しむことと定義し、ファッションによって、人々の心を豊かにし、幸せにするという私たちの使命を表した言葉です。「Play」という言葉には、遊ぶ、スポーツをする、演奏する……など一人ひとりのライフスタイルを楽しんで、自分事でやる。という姿勢を表しています。
そのためにはまず私たちが健やかに暮らせるように地球環境も守らなくてはいけないですし、全ての人が平等に楽しめるように社会問題のことも考えなくてはいけない。そこで、アダストリアでは、「ファッションのワクワクを、未来まで。」をサステナビリティポリシーとして掲げ、「環境を守る」「人を輝かせる」「地域と成長する」という3つの重点テーマを設定しています。「PAGEBOYLIM」は、性別関係なくファッションを楽しめるブランドとして、「自分らしくファッションを楽しめる社会」を実現し「人を輝かせる」ための役割を担っています。
——具体的にはどのような活動に取り組んでいるのですか。
アダストリアグループの取り組みとして、例えば、お客様の不要になった洋服を回収して新しい資源にリサイクル・リユースする「Play Cycle!」という環境活動を、2016年からおこなっています。活動当初は商業施設でのイベント回収を中心におこない、2020年からは一部店舗で常時回収をスタートいたしました。回収する店舗の増加や商業施設との連携もあり、回収量は着実に増えてきています。
——アパレル業界の課題として過剰在庫の問題がありますが、どのようなアプローチをしていますか。
アダストリアでは"必要以上の在庫を作りすぎない適量生産"ということに力を入れています。市場の動きやトレンド、過去の実績の分析精度を高めて、できるだけお客様の需要に合った量を生産するようにしています。また、自社独自の素材を開発する部署があるため、品質を落とさずかつ価格も抑えられるよう素材の面でも試行錯誤し、アダストリア内で複数ブランドを横断して素材を効率よく使用できるのも大きな強みだと思っています。
2030年までに全商品の半分をサステナブルな素材と加工に切り替える目標も立てているアダストリア。一人でも多くの人のライフスタイルに寄り添うために、環境問題や社会問題に目を向け、販売スタッフの声や売り場でのお客様からの生の声を大事にしていることがインタビューからも伝わってきました。全ての人に寄り添うアダストリアの「Play fashion!」から生み出されるファッションに要注目です。




