バイオプラスチックと共に挑む、廃棄物問題
環境問題を語るうえで必ずといっていいほど話題にあがるのが、プラスチックによる環境汚染や廃棄物の問題です。誕生から190年を越え人類の発展に恩恵をもたらしたプラスチックは、現在その処理方法の多くが環境問題につながり、世界的な問題となっています。その問題解決の方法のひとつとして期待されているのが、化石資源由来のプラスチックではない「バイオプラスチック」。バイオプラスチックには再生可能な資源からつくられる「バイオマスプラスチック」と、特定の状況下において微生物によって分解される「生分解性プラスチック」があります。今回はバイオプラスチックの特性や普及に向けた取り組み、効果的な活用方法について紹介します。
1000年経っても分解しない? プラスチック処理の現状
従来のプラスチックは化石資源を原料としてつくられています。
特徴としては
・大量生産が可能でコストが比較的低い
・非常に耐久性が高く、長期間使用できる
・分解されにくく、廃棄物として環境に悪影響を与えることが多い
という点が挙げられます。
そのため、海に流れ着いたプラスチックは、海洋汚染だけでなく、小さくなって生物の体内に入り込んだり、プラスチック製の漁網がからまってアザラシやウミガメが命を落とすといった問題を引き起こしています。
プラスチックを分解するための焼却作業でも二酸化炭素などの温室効果ガスが発生し、地球温暖化や大気汚染の要因となっています。
処理方法が適切に管理されないと、プラスチックは環境汚染の要因となってしまいます。
日本では、焼却時に発生する熱をエネルギーとして応用するサーマルリサイクル、バイオガスなどに変換するケミカルリサイクル、新たな原料として使用するマテリアルリサイクルなどの方法でプラスチックの再利用が進められています。
環境に優しい、植物由来の 「バイオプラスチック」
環境負荷を軽減することが期待されているのが「バイオプラスチック」です。
バイオプラスチックは大きく2つの種類に分けられます。
①バイオマスプラスチック
一般的なプラスチックは石油等の化石資源を原料としますが、バイオマスプラスチックは再生可能な有機資源からつくられます。そのため、化石資源をはじめとする枯渇性資源の使用を削減することができます。材料によっては自然界で分解されないものもありますが、焼却時に排出する二酸化炭素が少なく、温室効果ガス排出の抑制に役立ちます。(※1)
(※1)環境省 https://plastic-circulation.env.go.jp/shien/bio/merit
②生分解性プラスチック
植物が主な原料。適切な処理をおこなうと微生物によって水と二酸化炭素に分解され、最終的に大気や土に還ります。開発コストの高さや強度などの課題はありますが、さまざまな分野で使用され、プラスチックの廃棄処理問題を大きく改善させるとして期待されています。
日本ではバイオプラスチックの正しい理解と普及を促進するため、認証制度(※2)が設けられています。環境に配慮した製品として「バイオマスプラマーク」や「バイオマスマーク」を目印に選んでみてはいかがでしょうか。
(※2)経済産業省 https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shomu_ryutsu/bio/pdf/011_10_00.pdf
バイオプラスチックを取り入れた アイテムをチェック
ZOZOTOWNでは衣料から雑貨、生活用品に至るまで、幅広いジャンルでバイオプラスチックの製品を取り扱っています。
デザイン性に優れたものも多数あるバイオプラスチックのアイテム。SDGsの浸透で環境問題について考えることが身近となった現在、飲み物を購入する際にバイオプラスチックマークのあるものを選んでみる、コーディネートにバイオプラスチックを使用した衣類やアクセサリーを取り入れるといった日常のアクションからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


