メンテナンスこそ最大の愛情。お気に入りのバッグや靴は、リペア&セルフケアで一生モノに。【前編】
お気に入りの靴やバッグとは、できるだけ長く付き合いたいですよね。だけど使えば使うほど、経年劣化していくのも事実。大切な一足が壊れたり、長年愛用していたバッグがカビてしまったり……。誰もがそんな哀しい経験をしているのでは? そんなとき、手放す前に実践したいのが、専門店によるリペアです。そこで業界最大手の「ミスターミニット」を訪れ、ZOZOスタッフの愛用品を修理してもらうことに。さらに、気軽にできるセルフケア方法など、大切なモノと長く付き合う秘訣も、職人経験もあるミスターミニット広報担当の長嶺素義さんにお話を伺いしました。
全国で250店舗以上を展開するリペア専門店。
ベルギーで1957年に誕生した「ミスターミニット」は、革靴の本場、ヨーロッパで磨かれた技術をベースに、1972年に日本に上陸しました。以来、国内でも50年以上の歴史を誇り、全国に250店以上も展開しています。駅の近くやデパートの一角で、こちらの青い店舗を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
長嶺素義(ミスターミニットPR)アパレル業界を経て、リペア職人として入社。5年ほどキャリアを積み、新たなサービスの立ち上げに参画。プレイングマネージャーとして活躍する傍ら、PR業務も担う。
職人であり広報も務める長嶺さんは、そんなミスターミニットのコンセプトを「身の回りにある“困った”を“ありがとう”に変える」と言います。「やはり、なにか困って来店される方が多いので、それを技術力で解決して、ありがとうと言ってもらえるサービスを提供しております。昨今だと、修理料金も決して安くはないと思うのですが、それでも持ち込まれる大切な愛用品ですので、その気持ちに全力でお応えして、できる限りのことはやらせいただきたいと思っています」。
靴やバッグのリペアから、 スーツケースの修理まで?
実は長嶺さんは、プライベートでも大の靴好き。ミスターミニットに入社する前から靴磨きが趣味で、お客様の靴も修理しながら磨いていたほど。それだけに、モノに対する愛着心には共感できるそうです。「私も1番長く愛用している革靴は、25年ほどの付き合いになります。その間、数えきれないほどリペアをしてきました。お気に入りのモノって時間の経過と共に、愛着が湧きますよね。修理してまで使いたいモノって、お客様にとって特別なアイテムだと思うんですよ。だからこそ、なるべく“できません”とは言いたくなくて……」。
ミスターミニットのサービス内容は、靴やバッグのリペアから、傘やスーツケースのキャスターの修理まで多種多様。そうした多角的な展開も、お客さんからの依頼に対して、“なんとかしたい”という気持ちで、対応してきた結果だそうです。
修理するシューズは、年間で100万足以上!
そんななか、最も多く持ち込まれているのが、紳士靴やパンプスなどの革靴。最近はスニーカーも増えているらしく、年間を通してシューズだけで100万足以上になるとか。もちろん依頼内容も様々で、通勤靴のピンヒールの交換から、大切な形見の1足の復元まで、多岐に渡ります。それだけに、ミスターミニットで修理“できること”と“できないこと”の、線引きも気になるところです。
「シューズで言えば、革靴でもスニーカーでも、ソールの張り替えは可能です。ほつれを縫い直したり、履き口の補強もできます。バッグならバッグ全体を清潔にし補色したり、内張りの交換やストラップの修理も可能です。逆に対応が難しいケースは、素材自体の復元です。ひび割れた革や穴が空いたキャンバス地など、素材そのものが劣化している場合は、元の状態に戻すことはできません」。それでも明確な線引きを設けず、お客様の愛用品にとことん寄り添ってくれるのがミスターミニット。長嶺さんも「困ったときは無理だと思わず、とりあえず持ち込んでみてください」と言います。
「100%の状態に修理することは難しくても、70%まで回復できることもあります。例えばデザインが少し変わるけど、部分的に革で補修するなど。ある催事で修理の受付をしたとき、100人ほどのご依頼がありましたが、やむなくお断りしたのは1人くらいでした。いろいろな分野の職人が在籍しておりますので、なにかしらの修理のご提案ができると思います」。そうした柔軟な対応と提案力こそ、全国の窓口で修理の達人が直接向き合ってくれるミスターミニットの強みであり、困ったときの駆け込み寺として、長年重宝され続けている理由と言えそうです。
誰もが持っている、モノにまつわるストーリー。
早速ZOZOスタッフも、ミスターミニットに修理してもらいたい愛用品を持ち込んでみました。今回用意したのは、「かかとと履き口がすり減ったスニーカー」と、「靴底がすり減ったブーツ」、「色褪せて部分的にカビがあるレザーバッグ」の3点。どれもかなり使い込まれていますが、持ち主としては、まだ手放したくないそう。そこで、リペアしてまで使いたい理由を語ってもらいます。
▼スニーカー(befor)
・ZOZOスタッフK
「このスニーカーは社会人1年目に奮発して買ったハイブランドの1足。当時としては背伸びした買い物だったけど、どうしても欲しくて……。それから5年ほど、履いてきました。自分の社会人歴と同じくらいの愛用年数なので、私の成長を見守ってくれているシューズだと思うと、簡単に処分できません。」
▼ブーツ(befor)
・ZOZOスタッフK
「自分へのご褒美に買ったお気に入りで、どんな服にも合うのでついこればかり手に取ってしまう「相棒」的なブーツ。最大の魅力は、足元をスマートに見せてくれる「薄い靴底」なのですが、愛用するうちに消耗や滑りやすさが気になるようになりました。これからも長くガシガシ履けるように、メンテナンスをお願いしたいです」。
▼バッグ(befor)
・(ZOZOスタッフM)
「大学進学のタイミングで祖母から譲り受けた、90年代のレザーバッグ。当時、価値もわからず気に入って日常使いしていましたが、その後クローゼットでしばらく眠らせてしまい色褪せやカビが目立つ状態に。年齢を重ねた今だからこそ分かる上質で柔らかなレザーの魅力を損なわないよう、きれいな状態に戻して、再び大切に使い続けたいと思いました」。
修理したい背景には、自分だけのストーリーや、毎日愛用しているヘビーユースの日用品など、それなりの理由がありました。みなさんも、そうした愛用品が、ひとつくらいあるのでは?【後編】では、そんな大切な相棒をリペアするために必要な時間と金額、長く愛用するためのセルフケア方法を伺ってみます。
取材協力:ミニット・アジア・パシフィック株式会社
※本記事は2026年3月時点の取材に基づいた記事です。








